2025.8.18 壁押し

合気

セントラルアイランド体育館での稽古。TZさん、FOさん、KIさんが参加。今日の課題は「羽手」と「受けの重心を引き出す」とした。「羽手」については、セントラルアイランド体育館恒例となった他派の先生との手合わせにおいてもその効果を確認することが出来た。ゴリゴリ系柔術の会派で、いつもは受けと当たることが多いのだが、今日は、当たったとしても、いつもより大きく崩すことが出来た。力感も少ない。貴重な体験であった。「受けの重心を引き出す」については今日の技の体系にあまりそぐわなかったので、検証する機会がなかった。その代わりに「壁押し」という新たな課題が見つかった稽古であった。

座技 両手取合気上げ後方倒し

羽手を意識する。稽古前の手合わせの影響か、やや力みが出ている感がある。とりあえず倒すことは出来てはいるが、皆が受けてくれているのかも。ここら辺は慎重に考えなければいけない。

座技 両手取指組後方倒し

「受けの力を床に流す」イメージで行ってみたところ技が通らない。KIさんからは「張りが弱い」との指摘あり。いろいろと考え、「指の張りなどで受けの力をある程度跳ね返さなければ受けは力を出さないのではないか」との結論になる。これが「壁押し」の根本的な理である。壁がしっかりしているからこそ思いっきり押すことができる。合気柔術では、この「しっかりした壁を作る」の体理が「指の張り」「羽手」「立ち方」なのであろう。また、「指の張り」と「羽手」は互いに影響しているが、別々に行うのものであることが判った。

座技 両手取指組回転投げ

前の技で気が付いた「壁押し」を試してみる。すると受けがしっかりと押し返してくれた。そこで組手を回転させるとうまく投げることが出来た。どちらかといえば「引き」を強くしたほうが良い。これも壁押しにより受けが押し返してくれているからなのだろう。KIさんは「こんなに力を感じているのに投げられる」との評。

座技 外手取横手刀横投げ

FOさんがTZさんの受けを取っているときの要求を参考にする。それは「手を取らせる位置を中央に誘う」というもの。これに羽手を組み合わせてみたところ非常に効きが良い。羽手は受けとの同調にも効果を発揮するのか。要検証である。

座技 外手取外回し手首取落とし

この手の技はどうしても「掴み」たくなるが、手首を掴むのは終末動作ぐらいの心持ちでよい。崩しは手首を回さずに肘を使って前腕を回す。前段(肘の外張り)はうまくいくが、後段(肘の内絞り)の時に手首を尺屈させてしまう。肘を先行させることが大事。崩した後は後ろに引くようにして、最後に受けの手首に掌をのせる。

立技 内手取入り身投げ

三者三様の崩し方である。FOさんは親指による崩し。KIさんは小指。TZさんは中心から大きく外すように崩す。TZさんが「私はこの技にかかりにくい」といっていたが、確かに難しい。どの要素が難しくさせているのか。面白い研究材料だ。なお、KIさんには一旦親指を張ってから抜くと効きが良かった。これは次回も検証したい。

立技 攻手 帯掴み前方倒し

力を掛ける方向の変化による崩し。帯を真横に引いて力の方向を意識させたあとに、脇に移動して今度は帯を引き上げる。このときに腰の位置にある帯を意識する。揚がったら受けの腰を前に移動するよう誘導する。TZさんから「右入り身は消えるが、左入り身は見える」との評をもらう。右と左の重心移動の違いである。股関節の捉えの精度を上げていきたい。

所 感

今日の稽古では「壁押し」についての体感を得ることができた。受けに力を出してもらうためには「指の張り」一旦止め、受けが押し返してきたら受けの力を床に流す。この一連の動作である。また流すためには「羽手」が必要であることが解った。大きな収穫である。「フロー理論」について著された本を稽古前に読んだが、とても腑に落ち有益な内容であった。きっと先生もこのような心持ちであったに違いない。これを胸に稽古に精進していきたい。

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