イーストワード体育館での稽古。代稽古を執る。本日もKIさん一人の参加であったため、お互いの感覚を確かめあう稽古となった。今日の稽古では以前から試していた「負ける動き」に焦点が当たり、その感覚を深化させることが出来た。
座技 両手取合気揚げ後方倒し
KIさんから「どんな感じでやっているのか」との質問があったので自分の感覚を伝える。個人的には何かをするというよりも、相手の力を受けてそのままの体勢をキープする感覚である。こうすると受けが自分で動いて行く。
座技 両手取合気揚げ輪回し投げ
前回の稽古で見つけた「背中で引く」を技に取り入れてみる。受けがKIさんであることを差し引いても非常に効きが良かった。是非とも他の人で検証したい。
座技 両手取前差後方倒し
今日の稽古で焦点となった「負ける動き」を意識した技である。具体的には、受けに押さえられた手は太腿上にあるが、ここで手を積極的に動かさずにそのままにしておき、他の部分は前差を続ける。
座技 両手取手首回し左右投げ
「目を開けた時」と「目を瞑った時」の技の掛け方に違いがあることが判明した。目を瞑った時は、手首を左右に傾けるだけで技が通るが、通常の掛け方をすると技が効かない。これは目を瞑った際は自分の体勢を安定させることを優先させるため、その前に取が動いてしまうとしっかり掴まないのではないかと仮定した。攻め技では受けが動かないので目を開けた時と目を瞑った時との差異がないのだろう。要検証。
座技 諸手取燕返し後方投げ
「背中で引く」を取り入れてみる。途中、前回の稽古で発見した「槍俵」との整合を図るが今一つであった。稽古後の振り返りで胸を開く時には「負ける動き」が必要なのではと気が付く。次回検証したい。
寝技 足首腿取内から外回し投げ
YMさんのYoutubeのから選択した技。YMさんの説明を実践してみる。これもやはり「負ける動き」であることを確認できた。
立技 攻め技ボール縦回し落とし(両手・片手)
前回の稽古でボールがなく出来なかった技。実際よりも柔らかいボールである。体験していないKIさんの意見で身体使いを見つけた。それは「指先を滑らせない」ということである。これは片手技で判明したのだが、指先に力を入れて少し奥目に当てるようにする。この時にボールに当たるのは指先のみ。他の部位が当たると技が効かなくなる。KIさんの体感であるので全員に通るかは不明だが面白い身体使いである。この技は「脇の開き締め」が重要でありそうだ。
立技 攻め手肩掴み後方倒し
ボール回しでの「指先の使い方」を応用してみる。いろいろと試すと次のことが判った。①親指で押すと受けに戻り反射が起きる。②親指の圧を自然に抜くために、筒を回すようにして指先を背中側に付ける。(決して握るようにしない)
立技 攻め手内手腿斬り後方倒し(外・内)
どういう理で受けが崩れるか検証する。当初は「骨の入れ替え」を試すがダメ。次に「指先の使い方」を応用する。指先を太ももの裏に付けるが反応が今一つ。そこで親指を体側に付けてみると受けが大きく崩れた。KIさんによると「どの部位で触っているのか判らない」とのこと。自分も受けてみると確かに何かが腿の横に当たっているがそれが何か(親指なのか)判らない。そうしているうちに指先が腿裏に触られて崩されてしまう。面白い理だ。これを内腿でも試してみる。内腿の場合は親指が当たっているのがはっきりと判る。人の部位による感覚察知能力の違いだ。よって内腿は掌底部を触らないギリギリにして、指先を腿裏に当てるほうが受けが崩れる。受けに反射を起こさせるのは「点」の方が良いということか?他の技でも検証したい。
立技 攻め手胸こすり落とし
腕を動かし始めるところから技がスタートする意識を持つようにする。受けの胸に前腕部が乗ったら腕を積極的に使わず「負ける動き」を使うのが肝要。稽古後の振り返りで、この技も「指先の使い方」が応用できるのではと思いつく。次回の稽古で検証したい。
立技 攻め手胸当て手刀斬り
胸こすり落としと同様に「負ける動き」を使う。
立技 攻め手手刀腰斬り落とし
当初、「負ける動き」で技が効くか検証する。負ける動きだけでは受けに反応が起きない。そこで「指先の使い方」を取り入れてみる。厳密には手刀ではないが誘いの後に指先を背中に当てると受けに反応が起きる。今回はそのまま落としたが、そこで負ける動きを入れれば先生のように前に飛ばせるのではないか?
所 感
今日も二人きりだったので検証主体の稽古となった。「負ける動き」とは「腕を脚のように使う」と近い。根本術理であるものと思料する。今日は「指先の使い方」という面白い理を見つけた。これは応用が効く範囲が広そうである。主に攻め手で検証したが、受け手においてもうまく使うことができるのではないだろうか。要研究である。

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