イーストワード体育館での稽古。代稽古を執る。今日の参加者は、KIさんとITさんであった。ITさんは約半年ぶりの稽古とのこと。大きな体躯と独特の感性を持っているので技が通るか楽しみであった。今日はITさんのおかげで新しい体感覚を得ることが出来た良い稽古となる。代稽古の特権として「よたれかかる」や「輪ゴムトレ」、「立甲」などの課題よりも体感の検証を優先した。
座技 両手取合気揚げ後方倒し
KIさんが遅れたため二人で稽古する。合気揚げから後方倒しまで技が良く通ったが、これはITさんが受けてくれたおかげであろう。手首の角度などITさんから質問される。
座技 両手取合気揚げ輪回し投げ
これも二人での稽古。輪回しの要領を質問される。外に膨らまないように回すことが肝要。
座技 両手取拍手後方投げ
KIさんが参加。三人での稽古する。前回の稽古で発見した、「後方投げの際に背中を使って投げる」を検証してみる。しかし、まず差した後にITさんの体が戻って来ない。本人に聞くと「もっと深く差して欲しい」とのこと。これは今日の稽古を通しての課題となった。
座技 両手取手首空回し落とし左右投げ
ITさんを左右に投げることが出来ない。聞くとこれも手首回しの時に「もっと深く攻めてもらいたい」とのことである。
座技 外手取燕返し投げ
この技も拍手後方投げと同様に「差しの深さ」を求められる。ITさんから「もう一人いて、その人に掛けるように」とのアドバイスを受ける。当初は全く反応しなかったがこれをやると反応が起きた。体躯の大きい人にはこの意識が必要と思ったが、稽古後の振り返りで「受けの身体一人分奥に掛ける」のではないのだろうか?面白い理合だ。次回検証したい。また、後ろに引く時に「立甲」を意識したが、まっすぐ引いているつもりでも僅かに上がった軌道になるようだ。まっすぐ引くには、やや下に圧を掛けるのがコツである。
座技 攻め手肩水平斬り倒し
YMさんの技をITさんに体験してもらう。これも「深く掛ける」が肝である。骨の入れ替えはまだまだ体得していない。鍛錬が必要である。
立技 攻め手外手間合い詰め落とし
先生の映像から選択した技。この技でITさんから重要な示唆を受けた。それは「不安定」ということ。手首を持たれたところから間合いを詰めようとすると「安定した状態で間合いを詰められても安定したままであるが、取りが不安定な状態で間を詰められるとこっちも不安定になる」との言。なんとか「不安定な状態を作り間合いを詰めると崩れてくれた。これは他の技でも通用する根本原理の体使いであると思料する。KIさんが受けの時に「そんなに力を入れなくてもいいのに…」と要求するが、手の脱力ではないのだろう。これは強化すべき体感覚である。
立技 攻め手外手手首揚げ崩し
以前に発見した「肘の押出し」を使ってみるが通らず。今日の稽古で最も術理が見えなかった。指先の接点の位置をズラさないことが重要であるとの認識は皆共通した。ではどうするか?。先生の「手首をここに持ってくる」と説明を受け手首を曲げて揚げていたが、実際はそうではなく腕全体を揚げて手首を高い位置に持ってくるのではないのか?YMさんも言っていたが先生らしい表現である。次回の稽古で検証したい。
立技 内手掌合わせ振り投げ(内・外)
先生の映像からの技。KIさんから「振りの時に手首ではなく、別のところで返してもらいたい」との要求があった。皆で検証していく内に、振り投げではあるが、実際は「揚げて下げる」動きであるとの結論に達する。「外に振る」時は受けの手が乗っている状態なのでどうやって揚げるか?KIさんが「間合いを詰めるだけでいい」というので、先ほど同様に不安定な状態を作り間合いを詰めてみた。KIさん、ITさんもしっかり揚げることが出来た。これが体感出来たのは大きな収穫である。
所 感
今日の稽古ではITさんという余り稽古に参加できない人の意見を聞くことが出来た。KIさんやFOさん同様に、自分の体感をうまく表現できる貴重な人である。有難い存在である。「不安定な状態を作る」ことを実感できたのは収穫であった。また、「二人目に掛ける」は相手の体形に合わせて掛けることが出来れば汎用性ある術理になるのではないか。(体形だけではなく身体感覚(意識)でも良いのかも、例えば腕の長さ分だけ後ろなど…)要検証である。

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